「それが売れたんですよ。これはいけると思ったんで、ビデオとかテレビ、それとオーディオブームにもなっていたんでアンプ、チューナーから初期のウォークマンまで、とにかく質屋にあったものを、なんでも持ち出してきては売りはじめた。それからはもう、これしかないと思ったんで小売りに力を入れるようになったんだけど、火がついたのはビデオでしたね」それからは質流れ品だけでは、当然商品が足りないので、現金問屋のバック屋からしばらく仕入れるようにする。ところが、バック屋ではしばしば品切れを起こして、安定した商品供給ができない。そうしたときに家電メーカーのほうから、取り引きの話が飛び込んでくる。メーカーから直で、しかも安く供給しようというのである。メーカーとしても生産拡大路線を敷いていた時代だったので、どういう業態であれ、一つでも多くの販路が欲しかったに違いない。同時に、その頃は、大型のディスカウントストアがチェーン展開で急伸してきたときでもあった。