家族間の問題がR君の大学受験勉強をさまたげたのは確かなことだが、反面、受験という家族にとっては大きな関心事が、家族間の問題点をはっきりと浮かび上らせたともいえる。母親から相談された父親も、はじめは両親がよく話し合うことが、息子の受験にとって重要なことなのかどうか、ピンとこなかったのかもしれない。しかし、父親もR君と同じくやさしい一面をもっていたようである。母親の気持ちを受け止めることの大切さを直感的に理解したようであり、そのことはR君にとって幸運なことであった。R君の家族が今回の一件から得たものは決して小さなものではなかったろう。両親もR君もお互いの気持ちを再確認することができた。これを契機として、忙しい父親も家族の問題に、より主体的にかかわっていくようにも思える。この出来事を通して家族が成長したともいえるだろう。